2021年12月10日
熊本大学
筑波大学
あいちシンクロトロン光センター
東京工業大学
日本原子力研究開発機構
量子科学技術研究開発機構
九州シンクロトロン光研究センター
東京大学
熊本大学産業ナノマテリアル研究所の熊添博之 特任助教、赤井一郎 教授らの共同研究グループは、イットリウム酸水素化物(YHO)薄膜(注1)の広域X線吸収微細構造(EXAFS)(注2)スペクトルに、電子波多重散乱理論(注3)に基づいた基底関数(注4)を用いたスパースモデリング(注5)とベイズ推定(注6)を組み合わせた新しい解析法を適用しました。その結果、YHO薄膜のイットリウム周りに存在する酸素原子が四面体配位(注7)していることが明らかになり、ベイズ推定により、データに重畳するノイズをモデリングして、解析困難なノイズの大きいデータからミクロ構造(注8)を解析することに成功しました。この手法は機能性薄膜材料を始めとする様々な物質のミクロ構造解明への応用が期待されます。
本研究は、科学技術振興機構(JST)戦略的創造研究推進事業(CREST 熊本大学 赤井一郎 教授(JPMJCR1861)、CREST 東京大学 岡田真人 教授(JPMJCR1761)、CREST 物質・材料研究機構 岩崎悠真 主任研究員(JPMJCR21O1)、さきがけ 筑波大学 五十嵐康彦 准教授(JPMJPR17N2)、さきがけ 東京工業大学 清水亮太 准教授 (JPMJPR17N6)、文部科学省科学研究費助成事業(東京工業大学 清水亮太 准教授(JP19H02596、JP19H04689)、東北大学 折茂慎一 教授(JP18H05513)、東京工業大学 一杉太郎 教授(JP18H05514)および旭硝子財団の支援を受け、あいちシンクロトロン光センター イエザーリ・ファビオ 研究員、同 岡島敏浩 副所長、東京工業大学 小松遊矢(博士後期課程2年)、日本原子力研究開発機構 松村大樹 研究主幹、量子科学技術研究開発機構 齋藤寛之 上席研究員、熊本大学 岩満一功 技術主任および九州シンクロトロン光研究センター 妹尾与志木 所長の共同研究にて行いました。本研究成果は米国科学雑誌「AIP Advances」に令和3年12月10日午前10時(米国東部時間)に掲載されます。