2024年度4-7月分ビームライン利用課題を募集します

九州シンクロトロン光研究センターは、2024年度4-7月分の県有ビームライン利用課題を募集します。


【2023年度からの主な変更点】

〇審査課題の選定基準を公開致します。詳細は8.課題採択の基準をご確認ください。

〇公平な利用を期すためキャンセル料を導入します。詳細は9.利用料金をご確認ください。



1.利用区分

利用区分は利用情報1)の公開2)/非公開で大別し、利用料金も異なります。

  • 1)「利用情報」・・実験者所属・実験者名、実験課題名、実験内容・結果等
  • 2)「公開」・・利用報告書の公開、論文(査読付)等の公開 (後述)

表1に本募集の利用区分と利用要件(利用対象、利用料金、利用情報公開等)についてまとめて示します(○:必要、×:不要)。

表1 利用区分毎の利用要件
  利用区分 利用対象 利用料金
(税込)
/最小申込単位
利用情報公開
利用報告書 / 研究成果※1
県内 一般利用 産・学・官  122,100円/日  × ×
産業利用 産・学・官  12,100円/日 
包括利用 県内企業  48,400円/半日 × ×
県外 一般利用 産・学・官  244,200円/日  × ×
重点分野利用 ※2 産・学・官  24,200円/日 
トライアル利用 産・学・官 無料(初回1日) ×

※1「研究成果」は査読付き論文誌への掲載を原則とします。

※2「重点分野利用」については、佐賀県が推進する以下の重点分野に資する利用であることとします。

<2024年度>
・半導体関連分野
・エネルギー関連分野

 

【制度の運用指針】

  • 九州域内の県立試験研究機関の利用は、県で取り組んでいる研究機関相互の利用連携の一環で、県内利用(産業利用)扱いとして運用する。

  • 県内利用者(大学、公設試、事業者)と県外の機関等(大学、公設試、事業者)が連携して利用する場合は、県内利用扱いとして、県内利用区分を適用する。

  • 県内適用可否については利用企画課(  riyousaga-ls.jp  )までお問い合わせください。

  • 県外の利用は、一般利用を基本とするが、佐賀県が重点的に推進する産業分野(半導体、エネルギー)への波及効果を促すため、「重点分野利用」を設定する。

 

以下に、各利用区分の要点を示します。

【県内】

一般利用

利用情報は非公開とすることが可能です。企業、大学及び公的研究機関にご利用いただけます。

産業利用

趣旨:佐賀県内の地域振興や産業振興に対する貢献が大いに見込まれる課題に対する利用支援を行います。
利用情報は公開が必要です。企業、大学及び公的研究機関にご利用いただけます。

包括利用

利用情報は非公開とすることが可能です。佐賀県内企業のご利用に限ります。

【県外】

一般利用

利用情報は非公開とすることが可能です。企業、大学及び公的研究機関にご利用いただけます。

重点分野利用

趣旨:佐賀県が指定する重点分野(表1参照)に対する貢献が見込まれる課題に対する利用支援を行います。
利用情報は公開が必要です。企業、大学及び公的研究機関にご利用いただけます。

【県内外共通】

トライアル利用

利用情報は公開が必要ですが、初回一日限り無料 でご利用いただけます。企業、大学及び公的研究機関にご利用いただけます。
※詳細(利用の可否)は利用企画課( riyousaga-ls.jp )までお問い合わせください。

2.県有ビームラインと実験手段

●課題申請書の「実験の方法」欄に必ずご記入ください。

表2 県有ビームラインと実験手段※3
BL07 X線イメージング(位相・吸収・マイクロCT)、X線回折(多軸回折計)、タンパク質X線回折、高エネルギーXAFS、蛍光X線分析、照射(加工、放射線効果)
BL09 単色・白色X線トポグラフィ、照射(加工、放射線効果)
BL10 軟X線XAFS※4、角度分解X線光電子分光、光電子顕微鏡
BL11 XAFS※5、X線小角散乱
BL12 軟X線XAFS、X線光電子分光
BL15 X線回折(粉末、薄膜)、X線反射率測定、単色X線トポグラフィ、XAFS
BL18 EUV光反射、反射率計測

※3 試料雰囲気制御が必要な実験(加熱やガス使用等)は必ず事前にご相談ください。
   (原則、共同研究にて実施します)
※4 水平直線偏光以外の偏光モード利用を希望される場合は、事前にご相談ください。
※5 16 keV ~ 23 keV の単色X線利用を希望される場合は、事前にご相談ください。

3.利用の流れおよび、手続きの詳細

初めてのご利用、あるいは新規課題でのご利用等につきましては利用相談をお勧めします。
「利用相談」ページ → https://www.saga-ls.jp/main/2017.html

以下、利用の流れを図1に、利用手続きの詳細を図2に示します。

利用の流れイメージ図

<図1 利用の流れ>

 

利用手続き詳細図

<図2 利用手続き詳細>

 

4.利用期間及び運転スケジュール

利用可能日(曜日)及び運転スケジュールは原則以下のとおりです。

表3 利用可能日(曜日) ※長期シャットダウン期を除く
曜日 運転状況 利用可否
マシンスタディ(調整日) 不可
火~金 利用日
土・日・祝日 休所日 不可

 

表4 利用可能日(曜日)の運転スケジュール
曜日 入射回数 スケジュール 利用可能時間
2回 ※6 ~10:00 10:00~
15:00
15:00~
16:30
16:30~
21:00
①5.0時間
②4.5時間
計9.5時間
入射・蓄積 ①利用可能時間帯 再入射・蓄積 ②利用可能時間帯
水~金 1回 ~10:00 10:00~21:00 連続11時間
入射・蓄積 利用可能時間帯

※6 1日2回入射

15:00~16:30の間に再入射・蓄積(電流値300mA)を行い、その間利用は中断します。短時間・高強度の測定・照射等が繰り返し必要な場合に効果が期待されます。

  • 電子蓄積リングへの入射・蓄積(電流値300mA)後、放射光強度(電流値)は約6時間で半減します。
  • 利用時間帯は10:00~21:00となりますが、ご希望により持込み装置等を夜間に連続稼働させることが可能です。なお、連続稼働には事前の申請が必要です。
    詳細は利用企画課( riyousaga-ls.jp )までお問い合わせください。
  • マシントラブル等により利用可能時間帯に60分以上の欠損が生じた場合は利用不可日と見なし、必要に応じ利用日を再調整します。
  • 利用可能時間帯に60分未満の欠損が生じた場合でも運転は21:00に終了します。(延長運転はありません)
  • マシントラブルのうち、ビームアボートにより再入射を行った後、再度ビームアボートが発生した場合は利用不可日と見なし、必要に応じ利用日を再調整します。
  • 16:45以降は電子蓄積リングへの再入射を行いません。

5.利用課題の募集期間

●2024年1月16日~2024年5月15日 (表5参照)

表5 2024年度4-7月の募集期間等
利用希望月 募集期間 利用通知時期(予定)
4月 1月16日~2月15日(締切日) 3月中旬
5月 1月16日~3月15日(締切日) 4月中旬
6月 1月16日~4月15日(締切日) 5月中旬
7月 1月16日~5月15日(締切日) 6月中旬
利用申込みは、原則、利用希望月毎に提出し、月をまたがらないようにしてください。ただし、利用期間が同一週内で月をまたがって連続するときは、提出可能です。その場合、初回利用希望月の決定の際、翌月分も同時に決定します。
※「包括利用」を除く(「包括利用」については随時募集を行っております)。

 

6.利用申し込み

利用申込に際して、実験責任者は、表6に示す利用区分毎の募集要領をご確認の上、課題申請書を当研究センターへ提出してください。

  1. 実験責任者について
    • 当研究センターを利用(課題申請書等の書類提出、実験の実施、利用料金の支払い、成果の報告)するにあたり、全ての責任を負っていただきます。
    • 実験当日、研究センターに来所し、実験の中心となっていただきます。
    • 実験責任者が実験に参加できなくなった場合は、事前にご相談ください。
    • 学生は実験責任者にはなれませんが、大学の職員である博士研究員、研究補助員等であれば可能です。
    • 実験責任者不在の際は、当研究センターの判断にて利用をお断りする可能性があります。
  2. 実験参加者について
    • 不慮の事故に備えて、全員が傷害保険への加入が必要です。
    • 当研究センターをご利用いただくためには放射線業務従事者登録(後述)が必要です。
表6 利用区分毎の募集要領と課題申請書様式

利用区分

募集要領

課題申請書様式
(クリックで
様式ダウンロード)

県内

一般利用

「5.利用課題の募集期間」に定める募集期間において締め切り、要件審査※7のみを行い、利用の可否等を決定、通知します(表5参照)。ただし、募集枠に空きがある場合は、締切日を過ぎても、随時受付け致します。空き状況については、利用企画課までメール( riyousaga-ls.jp )でお問合せください。

また、お申込みの際に、課題申請書の申請欄で県内企業であることを明示してください。

ワードアイコン一般利用様式
(Word 66kb)

産業利用

「5.利用課題の募集期間」に定める募集期間において締め切り、要件審査課題評価を行い、利用の可否等を決定、通知します。

ワードアイコン産業利用様式
(Word 64kb)

包括利用

常時募集を行っております。

詳細については「包括利用」のページ(https://www.saga-ls.jp/main.php/2199.html)をご確認ください。

ワードアイコン包括利用様式
(Word 53kb)

県外

一般利用

「5.利用課題の募集期間」に定める募集期間において締め切り、要件審査のみを行い、利用の可否等を決定、通知します。ただし、募集枠に空きがある場合は、締切日を過ぎても、随時受付け致します。空き状況については、利用企画課までメール( riyousaga-ls.jp )でお問合せください。

ワードアイコン一般利用様式
(Word 66kb)

重点分野利用

「5.利用課題の募集期間」に定める募集期間において締め切り、要件審査課題評価を行い、利用の可否等を決定、通知します。

ワードアイコン重点分野利用様式
(Word 64kb)

トライアル利用

「5.利用課題の募集期間」において締め切り、要件審査課題評価を行い、利用の可否等を決定、通知します。なお、1日の利用が上限となります。

ワードアイコントライアル利用様式
(Word 63kb)

  • 「要件審査※7」・・・「8.課題採択の基準」を参照
  • 「課題評価※8」・・・「8.課題採択の基準」を参照

7.持込試料の化学物質リスクアセスメント

当研究センターのご利用に際し、持込む全ての化学物質についてリスクアセスメントを実施していただきます(当研究センターにすでに準備されている化学物質(標準物質)を含みます)。リスクアセスメントは申請課題の採否に直接影響を及ぼすものではありませんが、安全衛生の観点から必ず、実施をお願いします。

詳しい実施方法は当ホームページ内「化学物質のリスクアセスメント」のページををご参照ください。
「化学物質のリスクアセスメントについて」→https://www.saga-ls.jp/main/915.html

 

8.課題採択の基準

ご提出していただいた課題申請書は、書式、必須事項の記載等を確認の上、受理いたします。
受理後、次の基準に基づき要件審査を行い、利用の可否を決定します。

要件審査

  1. 実験の安全性が確保されていること。
  2. 利用に係る技術的問題がないこと。
  3. 公序良俗に反するものでないこと。

また、利用情報の公開が必要な利用区分(「表1.利用区分毎の利用要件」参照)の課題申請書は、要件審査に加えて課題評価(「図1.利用の流れ」参照)を行い、利用の可否を決定します。

課題評価

  1. 申請者が利用を希望する県有ビームラインについて、一般利用、包括利用、共同研究利用、内部利用の合計日数がビーム供給日数を超過する場合は、審査を行わないものとする。なお、一般利用については先着順で採択する。
  2. 審査課題については、利用料金を廉価に設定していることから、当研究センターが目指す姿と合致するか否か、「表7.課題評価基準」により評価を行う。
  3. 課題評価委員の評価結果をもとに、配点の高い課題から優先的に採択を行う。なお、同点の場合は、『全体計画』評価の高い順で順位を付す。それでも同点の場合は、委員会で協議のうえ委員長が最終決定する。
  4. 上記に限らず、課題評価委員のうち2名以上が『全体計画』を「オ」と評価した場合は、選定対象外とする。
表7 課題評価基準
評価項目 評価内容 配点
全体計画

当研究センターが目指す姿に合致するか、該当する項目の視点から評価する。

  1. 県内産業利用に寄与
  2. 佐賀県が指定する重点産業分野への寄与
    ・エネルギー関連分野
    ・半導体関連分野
  3. その他産業等への寄与
    (トライアル利用)
ア)非常に期待できる 4
イ)期待できる 3
ウ)普通 2
エ)やや不十分 1
オ)期待できない 0
個別計画 課題設定

上記全体計画も踏まえ、課題が適切か課題申請書の『実験の概要』から評価する。
ア)課題としてのねらいが明確かつ的確で、優れた成果が期待できる 3
イ)課題としてのねらいが明確で一定の成果が期待できる 2
ウ)課題としてのねらいが必ずしも明確でない 1
エ)課題としてのねらいが認められない 0
実施計画

仮説や検証計画、シンクロトロン光を用いることの妥当性について、課題申請書の『実験の方法』から評価する。
ア)十分考えられた良好な実験計画である 3
イ)実験計画は妥当と判断される 2
ウ)不備な点はあるが、実施することに大きな問題はない 1
エ)実施すべきでない 0

 

9.利用料金

利用区分毎の利用料金として「表1.利用区分毎の利用要件」に示す額をご負担いただきます。利用終了後、実験責任者宛てに請求書をメールにて送付いたします。

※見積書、納品書は発行しておりません。見積書については、公開している利用料金表をご参照ください。

利用決定通知日から7日を経過した時点で利用日確定として取り扱います。確定後のユーザー都合でのキャンセル及び日程の変更があった場合、「表1.利用区分毎の利用要件」に記載の正規の料金を申し受けます。

10.利用届出

  • 利用採択及び利用日の確定を受けた場合、利用届出書及び誓約書を利用日の7日前までに提出してください。
  • 利用届出書は課題申請書と同じ様式です。課題申請書からの変更は、書式の指示に沿って行い、変更が無い場合は同じものを提出してください。期日までに提出がない場合は、変更に対応できない場合がありますので、ご留意ください。

※利用届出書では、無害でない持込試料の追加はできません。
※利用届出書での実験責任者の変更はできません。また、利用届出書提出後についても実験責任者の変更はできませんのでご留意ください(実験責任者が来所できなくなった場合は、事前にご相談ください。「実験責任者代理申請書および誓約書」のご提出が必要となります)

◆「誓約書」および「実験責任者代理申請書および誓約書」は、当センターHP「様式ダウンロード」のページよりダウンロードしてください。
 「様式ダウンロード」ページ → https://www.saga-ls.jp/main/16.html

 

  • 研究センターの宿泊施設をご利用希望の方は、当HP「宿泊棟」ページにて概要を確認の上、お申し込みください。
    「宿泊棟」ページ→https://www.saga-ls.jp/main/60.html

なお、宿泊のお申込み、変更は宿泊予定日の7日前までにご連絡ください。それ以降は施設管理の都合上、お断りさせていただく場合がございます。

11.利用報告及び研究成果公開について

利用報告及び研究成果公開が必要な利用区分については下記ページを参考にご対応をお願いします。

●「成果報告」ページ → https://www.saga-ls.jp/main/704.html

12.放射線業務従事者登録

実験エリア(実験ホール)は放射線管理区域であり、当研究センターをご利用いただくためには放射線業務従事者登録(「放射線業務従事者登録申請書兼放射線作業従事承諾書」の提出)が必要です。

詳細については当センターHP「放射線業務従事者登録」のページをご確認ください。
「放射線業務従事者登録」ページ → https://www.saga-ls.jp/main/29.html

 

【お申込先、及びお問合せ先】

〒841-0005 佐賀県鳥栖市弥生が丘八丁目7番地
九州シンクロトロン光研究センター
利用企画課 E-mail: riyousaga-ls.jp 
安全管理室 E-mail: anzensaga-ls.jp 
TEL: 0942-83-5017 FAX: 0942-83-5196

※営業日:祝祭日を除く月曜日から金曜日
営業時間:8:30 ~ 17:15(12:00~13:00を除く)  

ページの先頭へ