主に、単結晶材料のマイクロオーダーの微細な欠陥構造を観察できる回折現象を利用したイメージング手法です。
X線トポグラフィ実験写真
装備品
ゴニオメーター、4象限スリット、2結晶モノクロメーター、回転式シャッター、電離箱、イメージングプレート(解像50 µm)、Industrial D2フィルム(解像3 µm程度)、フラットパネルセンサー(解像50 µm)
概要
- 透過ラウエ、反射ブラッグ、背面ラウエなど各配置での実験が可能です。
- Siで約2mm厚までなら透過配置の実験が可能です。ウェハー状でもインゴット状でも固定できます。
- X、Z、Rx、Ry(回転)ステージなどで試料周りを精密に調整できます。LabVIEWプログラムで遠隔操作します。シャッターと連動させたステップスキャン撮影も可能です。
- 単色光専用(6 keV 〜 20 keV)です。白色光の場合はBL09Aで行いますので、そちらを参照ください。
- スリットを使わない場合、縦6 mm、横60 mmのビームです。
- IP読取装置、現像室(暗室)、顕微鏡を使います。これらも申込書にご記入ください。特殊な持ち込み品がある場合は事前にご相談ください。
試料ステージ。X、Z、Rx、Ryを備えている。 |
LabVIEWプログラム例(ステップスキャンプログラム) |
実験手順
- スリットでビームを任意のサイズに整形します。広いビームを使用される場合、スリットは使いません。
- 任意のエネルギーにして、モノクロメーターを微調整します。
- 試料をステージに固定します。※面方位・軸方位があらかじめ分かっている試料が望ましい。
- フラットパネルセンサーで出現する回折点位置にフラッ トパネルセンサーを固定し、試料ステージをゆっくり回転させながら回折点を探索します。
- 回折位置に高解像のX線フィルム、または原子核乾板(利用者持ち込み品)を固定し、トポグラフ撮影をします。任意の軸をゆっくり動かしながらの撮影、試料ステージをステップスキャンさせながらの撮影(シャッターと連動)も可能です。
薄膜の結晶構造解析に用いられる多軸回折計(株式会社 リガク製 SOR SmartLab)です。試料周辺部、受光光学系、検出器などがアタッチメント化されており、制御ソフトウェアによる光学調整の自動化により、僅かな操作 で測定配置の切り替えが可能です。このため、多彩な測定モードでの回折実験が可能となっています。
薄膜X線回折装置
可能な測定法
- 薄膜の面内、面外回折測定
- 逆格子マッピング測定
- 極点図測定
- X線反射率測定
など。
回折計の概要と分解能
主軸部
- 2θ:0.0001 °
- ω:0.0001 °
- 2θ-χ:0.002 °
試料周辺部 (括弧内はストローク)
- Z軸:0.0005 mm(−4 〜 1 mm)
- φ軸アタッチメント:0.002 °(±360 °)
- Rx、Ryアタッチメント:Rx 0.001 °(±5 °)、Ry 0.0013 °(±5 °)
- X、Yアタッチメント:X、Yとも 0.0005 mm (±50 mm)
- χ、Φアタッチメント:逆格子マッピング測定、極点図測定に使用
- 試料加熱ユニット:室温 〜 1173 Kまで温度制御可能。
検出器および受光光学系
- シンチレーション検出器
- 2次元検出器(PILATUS)
- ダブルスリット光学系およびソーラースリット(5 deg、0.5 deg、0.114 deg)を利用可能
リガク製SOR SmartLab.に大型デバイシェラーカメラをセットして粉末X線回折測定を行うことが出来ます。測定試料は直径0.1 mm 〜 0.5 mmのガラスキャピラリに封入し、ω軸を回転しながら透過法により回折パターンを取得します。検出器としてイメージングプレート(IP)を使用しま す。IPは、 実験ハッチ外にあるオフラインのIPリーダにより読み取ります。読み取った2次元画像データはIPリーダ付属の解析プログラムで1次元の粉末回折データに する ことができます。また、2次元検出器のPILATUSも利用可能です。
粉末X線回折装置
デバイシェラーカメラの概要
カメラ半径: 286.5 mm
測定範囲(2θ): 5 °〜 75 °
角度分解能: 0.01 °
キャピラリー直径: 0.1 mm〜 0.5 mm
検出器: イメージングプレートおよびPILATUS
試料加熱・冷却:93 K 〜 573 K
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