BL10 装置概要

 ARPES測定装置及び付属装置 

  • 可変偏光アンジュレータからの光を利用する高分解能角度分解光電子分光測定
  • 試料電流測定による軟X線XAFS測定
  • 超高真空槽内での試料準備・作成及び低速電子回折装置による評価
ARPES装置上面図
ARPES装置上面図(試料マニピュレータは非表示)
図1 測定ジオメトリ
測定ジオメトリ

光電子エネルギー分析器  VG Scienta R4000WAL

  • 放出角度ごとの光電子スペクトルの同時測定が可能
  • 角度測定範囲:最大±15 °、角度分解能1 °以下
  • 検出系:マルチチャンネルプレート2次元検出器
  • 電子中心軌道半径:200 mm

試料マニピュレータ  AVC iGOINIO

  • XYZ 3軸並進及び面内(試料法線軸回り±90°)、フリップ(試料法線に直交する水平軸回り0 °〜 70°)、Z軸回りの3軸回転機構
  • 試料冷却機構:液体ヘリウム使用で約40 K(利用を希望される方は事前に御相談ください)

試料導入チャンバー

  • 真空槽外で作成した測定試料を短時間(30分程度)で測定槽へ導入可能

試料準備チャンバー

  • 最大4個までストック可能なサンプルバンク
  • 最大1000 ℃までの試料加熱
  • 低速電子線回折装置(スポットプロファイル分析型:Omicron SPA-LEED)による試料評価
  • Arイオン銃(LK TECHNOLOGIES NGI3000)による試料のスパッタ処理

試料蒸着チャンバー

  • 真空蒸着による試料作成や試料の劈開作業等
  • 蒸着制御器:INFICON Cygnus
  • 蒸着器:AVC AEV-11

ヘリウム光源  VG Scienta VUV5050/5040

マイクロウェーブ型VUV光源及び分光器の組合せにより、高安定性で高輝度かつ線幅の狭いVUV光{HeI(21.2 eV)、HeII(40.8 eV)}を利用可能

本装置では、偏光可変アンジュレータ(APPLE-II型)を用いた励起光エ ネルギー40 eV 〜 900 eV(水平偏光利用時)での角度分解光電子分光測定を高分解能で行うことが可能です。また、試料準備、蒸着、導入の3つの付属する真 空チャンバーを備え、真空槽内での作成・評価を行った試料をそのまま測定槽に持ち込むことが出来ます。なお、測定槽は超高真空に保たれていますので、真空 を悪化させる試料を測定することはできません。

  • スポットサイズ:0.5 mm(幅) × 0.1 mm(縦)以下
  • 偏光モード:偏光モードの違いにより、利用可能なエネルギー範囲が異なります。水平偏光モード以外の御利用を御検討の際は事前にご相談ください。
  • 試料サイズ&ホルダー形状:試料サイズは4 mm角程度(最小) 〜 9 mm × 7.5 mm(最大)まで、厚みは0.5 mm 〜 2 mmに対応可能です。その他特殊な形状の試料に関しては別途ご相談ください。

図2  試料ホルダーと固定板1図2  試料ホルダーと固定板2

試料ホルダーに試料固定用のMo板を取り付けた様子

PEEM測定装置

PEEM上面図
PEEM上面図
図1  測定ジオメトリ
測定ジオメトリ

光電子顕微鏡本体

  • 静電レンズ型光電子顕微鏡(PEEMSPECTOR、Elmitec社)
  • 視野直径:100, 50, 25, 10, 5 μmΦ(切替式)
  • 空間分解能:40 nm以下(UVランプ使用、シリコンパターン基板にて)
  • 真空チェンバー:2E-8Pa(ベース圧力)

試料ステージ

  • XYZ 3軸、およびθz(試料法線軸周り±90°)、θx、θy(チルト軸±2°)
  • 試料表面の中央約3 mmΦ程度の任意の場所を測定可能。
  • 試料法線は鉛直面内にあり、入射光(水平)とのなす角は60°固定(斜め入射)
  • 試料温度:160K 〜 1300 K(事前相談が必要です)

試料導入チャンバー

  • 真空槽外でセットした試料ホルダーを、約30分間の予備排気で測定槽へ導入可能。

UVランプ

  • 試料位置調整のための水銀ランプ(100 W)常設。

撮像カメラ

  • ペルチェ冷却式CCDカメラ(SensiCam QE、PCO社)
  • ダイナミックレンジ12-bit
  • 露出時間 1 ms 〜 10000 s

本装置では、偏光可変アンジュレータ(APPLE-II型)からのシンクロト ロン放射光を用いた光電子顕微鏡観察が行えます。試料は、約30分間の予備排気後、測定槽へ導入可能です。なお、測定槽は超高真空に保たれていますので、 真空 を悪化させる試料を測定することはできません。UVランプを使用し て試料位置調整を行った後、シンクロトロン放射光での測定を行います。試料の冷却は液体窒素を使用し、約1時間で約160 K程度まで冷却可能です。試料の 加熱 は試料背面にホルダー内蔵フィラメントを用います。また、試料電流測定による軟X線XAFS測定が可能です。

  • 偏光モード:偏光モードの違いにより、利用可能なエネルギー範囲が異なります。水平偏光モード以外の御利用を御検討の際は事前にご相談ください。
  • スポットサイズ: 150 um(幅) × 20 um(縦)以下
  • 試料サイズ&ホルダー形状:最大13 mmΦ 〜 最小7 mmΦ(8 mm〜9 mm角が最適です)。厚さ0.2 mm 〜 2mm程度まで対応可能です。試料は、円形マスクを用いて固定します。中央部3 mmΦの領域の任意の個所を測定できます。その他特殊な形状の試料に関しては別途ご相談ください。
図2  試料ホルダー外観

試料ホルダー外観

円形マスク(中央の穴は7 mmΦ)を用いて試料を固定する。測定可能な領域は中央部(3 mmΦ程度)である。

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